• こんにちは、みそソムリエの川辺です☆彡今日は味噌の地域性についてご紹介していきたいと思います!

     

     

     

     

     

     

     

     

    日本にはいろんな調味料がありますが、味噌ほど地域性が強いものは、ないのではないでしょうか?好みは生まれ育った土地で作られている味噌で左右されるといわれます。結婚して味噌汁の味が変わった!なんてこともあるかと思います。

     

     

     

     

     

    味噌は北は北海道、南は沖縄まで日本全国で製造されており、地域によって特徴は様々です。技術的にはどのメーカーでも様々な種類の味噌を製造することは可能ですが、その地域特性や好みを追求することで、各メーカー独自の味と香りが生まれ、蔵の味を継承しています。

     

     

     

     

     

     

    【全国各地お国自慢みそ】

     

     

     

     

    全国には800以上の味噌蔵があるといわれております。その土地土地の歴史や食文化が反映した味噌があり、江戸時代に確立したものがほとんどで、当時の藩の名前がついてるご当地味噌が多く残っています。南北に長いその地形や、気候によって日本全国各地で味噌の種類も様々です。

     

     

     

     

     

     

     

    北海道では赤い色の中辛口味噌が主流で、仙台では仙台味噌と呼ばれる伊達政宗時代より引き継がれている赤色辛口味噌が有名です。味噌の原料となる穀物も全国的に「米」が使われることが多いものの、中部地方では「豆」、九州や四国の一部の地域では「麦」が使われています。では全国のご当地味噌と味噌郷土料理をご紹介しましょう!

     

     

     

     

     

    [北海道みそ]    中辛口の米みそ 色:赤

    サッパリとした味わいで食材の風味を活かしてくれるみそ。昔から新潟や佐渡との結びつきが強かったことから、越後みそや佐渡みそと似ています。

    明治時代の開拓により全国から多くの人が移住してきた北海道。様々な食文化が集まったため、皆さんの口に合うようにということでクセのない味になったと云われています。

    ◇みそを使った北海道のご当地料理には、「石狩鍋」「ちゃんちゃん焼き」「なんこ鍋」などがあります。今や全国で人気の「味噌ラーメン」も北海道が発祥だそうです。

    ※ちゃんちゃん焼き

     

     

     

     

    [津軽みそ]  辛口の米みそ 色:赤

    「津軽三年味噌」とも呼ばれています。辛口ではあるものの、長期間熟成させるため口当たりはまろやかで、独特の旨味が特徴。少々塩分濃度が高いことや、寒冷な気候が雑菌の繁殖を抑えてくれるので、長期保存が可能になっています。かつて津軽は凶作が頻発することから、飢餓への備えのために長期保存できるみそ作りが盛んになったと云われています。みそは単なる調味料ではなく、厳しい雪国での貴重なタンパク源だったのですね。

    ◇みそを使った青森県のご当地料理には、「いものおづけばっと」「じゃっぱ汁」「ホタテ貝焼き味噌」などがあります。

    ※じゃっぱ汁

     

     

     

    [秋田みそ] 辛口の米みそ 色:赤

    米どころ秋田でとれた米から作る麹をたくさん使用していることから、辛口でありながら自然な甘みもしっかりと感じられます。

    ◇みそを使った東北地方のご当地料理には「いかのもんぺ焼き」「粥の汁」などがあります。

    ※いかのもんぺ焼き

     

     

     

     

     

    [仙台みそ]   辛口の米みそ 色:赤

    戦国時代、徳川家康と伊達政宗はみそを特に重視していました。徳川家康は豆みそで天下をとり、徳川政宗は仙台に「御塩噌蔵(おえんそぐら)」を建てて、兵糧(ひょうろう)としてのみそを製造したと云われています。

    夏期に政宗が出陣した際、他藩のみそは高い気温にさらされほとんどが腐敗してしまったものの、仙台藩のみそだけは変質せず、美味だったそうです。その評判が他藩にも広がり、一躍有名に。

    政宗は軍用だけでなく、産業発展のためにも厳しく指導をおこないながら良質なみそ作りを続けました。

    当時から伝わる製法を大切にした、伝統的な長期熟成型のみそが仙台みそです。

    ◇みそを使った宮城県のご当地料理には「ドンコ汁」などがあります。

     

     

    ※どんこ汁

     

     

     

     

    [会津みそ]   辛口の米みそ 色:赤

    自然環境が厳しい会津盆地で生まれた長期熟成型のみそ。300年以上の歴史があります。

    ◇みそを使った福島県のご当地料理には「しんごろう」「どぶ汁」などがあります。



     

     

     

     

     

    [越後みそ]  辛口の米みそ 色:赤

    米どころ新潟県で主に作られるみそ。米麹に精白した丸米を使っており、その米粒がみその中に浮いたふうに見えるのが特徴で「浮き麹みそ」と呼ばれることもあります。塩味の中にもすっきりとした麹の甘みを感じることができます。

    ◇みそを使った新潟県のご当地料理には「わっぱ煮」などがあります。

     

     

     

     

    [佐渡みそ]   中辛口の米みそ 色:赤

    麹が多く使われていて、長期間熟成させるため塩なれしたコク深いうまみを感じられるみそです。

    味噌を使ったご当地料理は『鮎の石焼き』『わっぱ煮』『スケトウの沖汁』などがあります。

     

    ※スケトウ煮

     

     

     

     

    [信州みそ】 辛口の米みそ 色:淡色

    全国的に作られており、その生産量は全体の約40%を占めています。酸味のある特徴的な香りがあり、すっきりとした旨味が感じられるみそです。山に囲まれ寒風が厳しい信州では、みそは貴重な〝活力源〟として大変重要な存在でした。塩の保存には細心の注意を払っていた武田信玄の時代、大豆の栽培が盛んにおこなわれ、信州の気候と水質もみそ作りに適していたことから、みそは全域に広まったそうです。

    ◇みそを使った長野県のご当地料理には「五平餅」「鯉こく」などがあります。

     

     

    ※五平餅

     

     

     

     

    [加賀みそ]  辛口の米みそ 色:赤

    加賀前田藩の軍糧用として伝わった、塩分が比較的高い長期熟成型みそ。はっきりとした辛みと深いコクが特徴です。

    ◇みそを使った石川県のご当地料理には「れんこんの団子汁」などがあります。

     

     

     

     

    [江戸甘みそ]  甘口の米みそ 色:赤

    蒸した大豆を用いるため色は濃い赤褐色。米麹の割合が高いため濃厚な甘みと光沢があります。関東地方は気候に恵まれており、みその使用頻度は、寒冷地ほど高くない傾向にあります。

    ◇みそを使った東京都のご当地料理には「味噌田楽」「深川丼」などがあります。

     

     

     

     

    ※味噌田楽

     

     

     

     

    [東海豆みそ](愛知、三重、岐阜) 豆みそ

    名古屋みそ、三河みそ、三州みそ、八丁みそなどの呼称や銘柄で呼ばれ、中京地方を中心に製造されている豆みそ。濃厚な旨味と渋み、わずかな苦みがある。八丁みそはもともと岡崎城から八丁(約870m)の範囲内で製造されていたみそのことを言います。

    ◇みそを使った東海地方のご当地料理には「どて煮」「みそ煮込みうどん」「五平餅」「とりモツのみそ鍋」などがあります。

    ※味噌煮込みうどん

     

     

     

     

     

     

    [関西白みそ]  甘口の米みそ 色:白

    「西京みそ」としてもよく知られ、主に京都で作られている甘みそ。皮を取り除いて煮た大豆と精米度の高い米を用いるため色は白や、上品な黄金色です。色がつかないようにするため、空気との接触を断って熟成発酵させます。米麹の割合がとても高く、強い甘みが特徴で、塩分量が少ないことから長期保存には向きません。

    王朝時代の貴族たちの嗜好から生まれたみそと云われています。

    ◇関西白みそを使ったご当地料理には「白みそ雑煮」「西京漬け」「懐石料理」などがあります。


    ※西京みそ漬け

     

     

     

     

    [府中みそ]  甘口の米みそ 色:白

    皮を取り除いた大豆を原料とした白や、クリーム色の甘みそ。きめ細やかで豊かな風味とコクで好まれ、関西白みそと並ぶ白色甘みその代表格です。

    江戸時代からその美味しさが全国に知られるようになりました。

    ◇みそを使った広島県のご当地料理には「カキの土手鍋」などがあります。

     

     

     

     

    [讃岐みそ]  甘口の米みそ 色:白

    濃厚な甘みがある豊かな風味は、京都の白みそや広島の府中みそと並ぶ人気の白甘みそ。

    ◇みそを使った香川県のご当地料理には「あんもち雑煮」「どじょう汁」「魚(サワラなど)のみそ漬け」「わけぎあえ」などがあります。

    ※あんもち雑煮

     

     

     

     

    [御膳みそ]  甘口の米みそ 色:赤

    蜂須賀公の御膳に供されたのが名前の由来と云われています。塩分は辛口みそと変わりませんが、麹の割合が高く、豊かな旨味を感じます。

     

     

     

     

     

    [瀬戸内麦みそ]  甘口の麦みそ

    米みそ圏と麦みそ圏が交差する地域で好まれる麦みそ。特に愛媛で作られる麦みそは、麹の割合が高いため、麦独特の芳香と軽やかな甘みがあります。

     

     

     

     

    [薩摩みそ]  甘口の麦みそ

    麦みその中でも比較的短い熟成期間で作られ、淡い色をしています。麦麹の独特の香りが強く、麦麹の粒が残っているのが特徴です。

     

     

     

     

    [九州麦みそ]  甘口の麦みそ 色:淡色~淡赤色

    麦みそが主流の九州で主に作られているみそで、田舎みそとも呼ばれます。大麦や裸麦から作られた麹を使用。麦麹の割合が高く、塩分はやや低めなので強い甘みと、独自の香りがあります。温暖な気候のため、熟成期間は比較的短めです。甘口が多いですが北部では辛口もあり、現在では麦麹に米麹を混ぜた「合わせみそ」の生産も増加傾向。

    ◇麦みそを使ったご当地料理には、「さつま汁」「からしれんこん」「冷や汁(宮崎)」などがあります。

    ※冷や汁



    僕は旅行が趣味で、今まで嫁さんと日本全国あちこち旅してきましたが、ご当地の郷土料理を食べることも、とても楽しみなんですが、やはり一番は”ご当地のお味噌汁”を飲むことが何より楽しみにしております♪

    特に旅館で出る朝ごはんについてる味噌汁はたまらないですね。山形県で食べた朝食についていた味噌汁は、今のところ、僕の中では暫定1位です。新潟の立ち食いのお寿司屋さんで飲んだ味噌汁も格別でしたし、沖縄で食べた味噌汁がメインの”味噌汁定食”も美味しくて、思い出深いですね。これからもあちこち旅して、日本全国のご当地味噌汁を制覇したいと思います。

    最後まで読んで頂きありがとうございます☆彡