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こんにちは、みそソムリエの川辺です☆彡
早いもので、2月もあと少しで終わりですね。今日は日本の発酵食品の代表格である味噌や醤油、清酒やみりんの原料となっている、発酵文化において、なくてはならない「麹 (こうじ)」についてご説明したいと思います。
麹とは・・・
味噌だけでなく、日本の伝統食に欠かせない菌の一種です。塩麹ブームなどもあり、麹は一般家庭でも多く認知されてきています。当店でも生こうじはとても人気のある商品であります。麹は蒸した米、麦などの穀物に麹菌というカビの一種を付着させ、繁殖しやすい温度、湿度などの条件下で培養したものです。
カビと聞くと、人間にとって有害なもの、賞味期限がかなり過ぎた食べれないものを想像してしまいますが、このカビは、食品として食べることができる菌です。よく知られている美味しい菌には、乳酸菌や納豆菌などがありますが、麹もこれらの菌と同じように美味しいと感じられる菌の一種です。
麹菌の正式名称は、和名で二ホンコウジカビ、洋名ではアスペルギルス・オリゼといい、麹は日本しかない国菌(国の菌)です。通常、麹菌と同じアスペルギルス属のカビはカビ毒を出します。なぜかこの麹菌だけは、毒を作るDNAが欠落しているので、発酵食品しか出せない、美味しい旨味や甘味成分を味わうことが出来るということです。
この麹菌は日本の風土で育つ穀物と非常に相性が良いといわれています。麹菌はお米や麦や大豆に日本の田畑で育つ穀物にくっついて発酵します。洋名のアスペルギルス・オリゼの「オリゼ」は「稲」のこと。もともと稲の中に住んでいるカビなので、日本の風土には相性抜群ということですね。
さらに、この麹をつくるための麹菌は「種麹」と呼ばれています。粉末状でやや黄みがかった色が特徴です。米などを原料に麹菌を培養し、醸造業界では、種麹のことを「もやし」、種麹をつくる種麹屋のことを「もやしや」と呼んでいます。これは麹菌が芽を出して白い菌糸が伸びていく姿がもやしににていることから「萌える」を語源にして,「もやす(し)」になったといわれています。麹には生麹と乾燥麹があります。また、麹を用いて発酵食品をつくることを「醸造」といいます。
「麹」の名前の由来は、「かもす(醸す)」の名詞形「かもし」の転訛(てんか)と言われていますが、古来酒造りは、口噛み酒という原料の穀物を口中で噛んで容器の中へ吐き出して発酵させるという手段を使っていたそうです。この行為は、現在の麹の役目を果たせていたので、この噛む動作が古く麹の語源に結びつくものと考えられています。カムタチ⇒カムチ⇒カウジ⇒コージの転訛(てんか)とも言われています。
主な麹
【米麹】 最も一般的な麹で、日本酒や甘酒の材料。白米を蒸して麹菌を繁殖させたもの。玄米や分づき米を使用することもある。
【豆麹】 豆味噌の材料。大豆を蒸して麹菌を繁殖させたもの。
【麦麹】 麦味噌の材料。押し麦、丸麦を蒸して麹菌を繁殖させたもの。
日本人にとって欠かせない、お世話になりまくっている麹、まだまだ奥が深そうですね。
次回のブログでもまた麹に触れたいなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました☆彡
参考資料:『味噌大全』 渡邊敦光(東京堂出版)