• こんにちはみそソムリエの川辺です☆彡

    今回は味噌の味(甘・辛)の分類をご説明いたします。

    味の分類は一般的に、甘みそ甘口みそ辛口みその3つに分けられます。この3つの味の違いは、前回少し触れました”塩加減と麹歩合の差によって生じます。塩加減とは、味噌を作る時に入れる塩の量であり、麹歩合とは麹原料である米、麦の大豆に対する配合の割合をいいます。塩分量が同じなら、麹歩合が高いほうが「甘口」になります。一般的に「辛口」と呼ばれるのは塩分が12%前後で、麹歩合が低い味噌です。塩分が多く熟成期間が長い味噌でうま味が濃厚で、この塩加減と麹歩合によって、甘味噌・甘口味噌・辛口味噌という違いが生じてきます。最近では、麹を多く使用した甘めの味噌が好まれる傾向があります。それでは具体的にそれぞれの違いなどをご説明いたしましょう!

    甘みそは塩分が5~7%、麹歩合が15~28割と麹を多く使用しています。関西地方で主に食べられるている白味噌や、東京の伝統的な江戸甘味噌などがあります。白味噌は主に関西で作られていて、原産地は京都と言われています。京都の西京味噌、香川の讃岐味噌、広島県の府中味噌などが有名です。白味噌は麹歩合が高く、食塩の含有量が少ないこともあり、早く醸造できるので、短期熟成型です。これは、酵母による発酵をほとんど必要としないためです。江戸甘味噌は、文字通り江戸(東京)で作られていた、東京市民に大いに愛された赤甘味噌です。米麴からの香りと大豆からの香りが一体となったトロミ感のある甘さが特徴です。

    甘口みそは米麹の淡色・赤味噌や麦麹で作られる味噌になります。塩分が7~12%、麹歩合が12~17割となっています。流通している多くの味噌が甘口みそに分類されます。「甘口」と付きますが、甘いものから甘じょっぱいものまで幅が広いです。静岡県を中心に食されている食塩量と麹歩合が甘みそと辛口みその中間の相白味噌や、食塩は辛口みそなみに多いですが、麹歩合が高い徳島県の御膳味噌などもあります。

    辛口みそは米麴の淡色味噌・赤味噌や麦麹で作られる味噌になります。塩分は11~13%、麹歩合は5~10割と麹の使用量が大豆よりやや少なめとなっています。この味噌は発酵に酵母菌やバクテリアなどの微生物の働きが必要なため、醸造期間が長くなります。米味噌の中で最もポピュラーなものであり、生産量も全体の75%を占めています。塩味が強く、すっきりとした味わいで大豆のたんぱく質のうま味をしっかり活かしているのが特徴です。代表銘柄は信州みそ。仙台みそや越中みそ、加賀みそなどがあります。

    おなじ原料の味噌でも、塩加減や麹歩合の差によって、甘いものや辛いものが生じることがこれでわかりましたね。では次回はさらに細かく”色”の分類を見ていきましょう!