• こんにちはみそソムリエの川辺です☆彡

    今回はみそ汁の塩分について調べてみました。

     

     

     

     

     

    もともと味噌は、一度に大量に"味噌だけ"を食べることはありませんので、料理に使った時の塩分の量は多くありません。しかし、1970年以降『味噌は塩分が多い』『味噌は血圧を上げる』という、誤った説が通説となり、世間一般では、味噌は塩分が高いものと認識されるようになり味噌汁が敬遠されていた時代もありました。

     

     

     

    塩分が高いとなると、どうしても身体に悪いのではないか?という疑問も生まれると思います。確かに店頭で接客していても、そういったお声をよく耳にしますが、実は最近のさまざまな研究結果から、味噌では血圧は上がることはなく、控える必要はないことが証明されているようです。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    男女共に長寿日本一を獲得している長野県では味噌の製造が盛んで、味噌や味噌漬けを好んで食し、にも関わらず長寿日本一をとっているのは何故なのでしょう?

     

     

     

     

     

    食塩と高血圧を長年研究されている、共立女子大学家政学部 食物栄養学科教授 医学博士である上原誉志氏によると、食塩の摂取で血圧が上がるのは、腎臓からのナトリウムの排泄量が少ないことが原因であることが、研究結果からわかったそうです。塩を多く摂ることよりも、排泄されないことの方が問題だということ。

     

     

     

     

     

     

    1日に1~3杯の味噌汁を飲む方の血圧の平均値はほとんど変化がなく、むしろ味噌汁を飲むことで腎臓からのナトリウム排泄が促され、30%の減塩効果があるという結果が導き出されたそうです。みそ汁を飲むことで血圧が上がるということは一概には言えないということですね。

    参考資料:『高血圧なら味噌汁を飲みなさい』上原誉志夫 

                                 

    厚生省では生命維持活動で必要な塩分は健康的な製品の男性で8.0g未満、女性で7.0g未満、高血圧な人でも6.0g未満とされています。みそ汁には塩分は1.2gと少なく、高血圧の人でも味噌汁の塩分を摂り過ぎることはないといえるのです。

    資料:みそ健康づくり委員会『みそを知る』

    決して多くはないみそ汁の塩分ですが、それでも気になる場合には具材を工夫することで、問題は解決されます。

     

     

     

     

     

     

     

    気になる塩分を控えるためには、基本のだしをきちんと取ることによって塩分の摂り過ぎを防げます。市販のだしの素は手軽にだしが取れてとても便利でありますが、塩分が多く含まれているものがあります(顆粒出汁味噌汁1杯分の塩分約0.5g)。旨味の多い、かつお節や昆布、煮干しなどでだしを取り、濃い目にだしを効かせることでも、味噌を入れる量を減らすことで、減塩対策にもなります。またすだちやゆず、生姜などを絞って酸味を効かせたり、細く刻んで上にのせて香りよく仕上げるのも減塩につながります。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    塩分の摂り過ぎで問題なのは、塩分中のナトリウムが高血圧の原因になるとされているためですが、ナトリウムとカリウムを同時に摂取すれば塩分が体外に排出されやすくなります。

    カリウムの多いものは、ほうれんそう、春菊、いも類などが塩分の体内吸収を防いでくれます。また食物繊維の多いわかめ、ごぼう、こんにゃくなども同じように塩分を体外に排出する働きがあります。

    さらに広島大学名誉教授・渡邊敦光氏によると、みそ汁を1日2杯以上飲む人は、そうでない人に比べて高血圧になるリスクが0.18倍と大幅に下がることが分かっているそうです。これは大豆に含まれるたんぱく質、そして褐色色素(メラノイジン)も血圧上昇を抑える働きがあるためです。味噌は塩分が含まれていても大豆の働きでこのような効果を期待出来るのです。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    塩分を控えるという意味で、定食についているみそ汁を残したり、ラーメンやうどんのように、みそ汁の具だけ食べて、汁を残したりするのは本来間違いであり、食塩の性質を活用して発酵・熟成させた味噌の中の物質にはたくさんの効用があるのでもったいないことですね。

     

     

     

     

     

    最後まで読んで頂きありがとうございます☆彡