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こんにちはみそソムリエの川辺です☆彡今回は味噌の醸造法について調べてみました
日本は全国で味噌の生産が行われていて、実はとても奥が深い味噌の世界。原料の違いや、仕込む時期から熟成期間までの気温や湿度、熟成方法、期間の長さによっても色合いや香味が微妙に変化するため、味噌の種類も様々です。
味噌の仕込みは、大豆を蒸煮して潰し、米や麦などの原料を麹菌を付着させ、温度管理をして繁殖させてつぶした大豆と麹、それに塩を混ぜ合わせて出来上がります。味噌を作る工程は人間が出来るのは、ここまでです。あとは麹菌や酵母や乳酸菌の力を借りて大豆、米、麦などの素材が秘めている"旨味と甘味"を引き出し、味噌になります。味噌作りはシンプルな工程が故に、奥が深いものであります。
さて、味を決める重要な要素である『発酵・熟成』には、二つの製法があります。天然醸造と加温する速醸という方法があります。
天然醸造とは、寒い時期に仕込んだ味噌を自然の環境の中で寝かせるもので、冬から春にかけては低温でじっくりと分解が進み、さらに夏にかけて気温が上がると徐々に発酵が進みます。そして秋口から冬にかけてさらに熟成させることにより、1年間という時間をかけることでふくよかな自然な旨味を醸し出し、味噌本来の奥深い香りが生まれます(発酵の最終段階、しかも熟成期間の長いものだけに生まれます)。仕上がります。
難しい言葉を使い過ぎましたが、平たく言いますと、仕込んだらあとは微生物にお任せして1年以上『ほったらかし』です(笑)。自然の温度で熟成させ、人工的に熱を加えたり冷ましたりしないということです。1年以上と時間はかかりますが、それによって塩味の角が取れてより味噌がよりマイルドになります。これは天然醸造ならではの、熟成内で味噌自身が塩の成分にもともとなかった、甘味と旨味を作り出すんです。
これに対して速醸法(市販されている廉価な味噌の製法)は、1950年の食糧不足、食糧増産体制の時に誕生しました。仕込んだ味噌を人為的に1~2か月加温することで、短期間で分解発酵をさせた後に、1ヶ月ほど冷やして味噌に仕上げます。温度が高いと微生物や菌の活動が活発になるため味噌の中の酵素が活性化し、味噌の風味にかかわる乳酸菌も繁殖しやすい環境になるためですが、風味や味わいは自然の気候の変化によって造られた天然醸造には敵いません。本来、味噌は1年以上寝かせなければいけないものを2、3か月で出来上がるので、生産量は約4倍になり、生産コストも大きく下げることが出来、全国に普及して行きました。大正4年に当時官史であった河村五郎氏によりみそ速醸法の特許を取得し、味噌業界の大きな変革をもたらしました。
河村五郎氏・・・熱仕込みといわれる速醸法は当時(大正)の東京での味噌のシェアを占めていた仙台みその製造法と似ていたので、早づくりの仙台みそ=早仙と呼ばれるようになりました。
また、麹造りは多くの手間と長い経験が必要とされた作業であり、大量に製麹することが難しく、味噌の大量生産のネックとなっていました。戦後の統制経済の中、国民の生活必需品である味噌は増産を迫られ機械製麹の必要性が注目されました。麹の熱に対して、人手による攪拌、小分け放熱という従来型の製麹方法に対し、機械制御が可能な『通風式製麹方式』という製麹方法が採用され全国に普及しました。
さらに現在市場に出回っている味噌は、速醸に加えて、出荷前に加熱処理などによって殺菌されたみそが多く、昔ながらの手間ひまをかけた『天然醸造』から得た味噌本来の力、時間と風土が育て上げる『活きた味噌 』の風味と味わいは得ることは出来ないということです。
冷めたお味噌汁を飲むと、天然醸造とそうでないものの差は歴然とします。天然醸造のお味噌汁は日本酒のようなキレがあり、飲みごたえがあります。そんな昔ながらの製法で、手間ひまかけた、拘りのい逸品のお味噌が当店でも多数取り扱いございますので、是非本物の違いをお試しください。
最後まで読んで頂きありがとうございます☆彡