• 発酵のはじまり

    こんばんはみそソムリエ川辺です☆彡コロナウイルスの影響で春の選抜高校野球までもが中止になりました。すごくショックで寂しいことですが、我々が出来ることはバランスの良い食事を摂ることや、しっかり睡眠もとって、出来るだけストレスを減らし、免疫力を上げ、健康でいることを意識して、ウイルスに負けないよう備えていくことですよね。一日も早く日常が戻ることを祈っています。

     

     

     

     

    今日は私たちの生活に必要不可欠な発酵のはじまりについて。味噌や醤油にお酒、漬物、キムチ、納豆にパンやワインにチーズやヨーグルトなどなど、発酵食品は私たちの生活には、欠かせない食品ばかりです。食品だけではなく医療品や洗濯洗剤、環境浄化、石油、水素やプラスチックの生産などの様々な分野での応用が期待されているそうです。では人類はいつから微生物を利用し、発酵食品を誕生させてきたのでしょうか?そのはじまりは、はっきりとわかっていないそうですが、諸説は沢山あるようです。どの諸説も偶然の産物だといわれていて、どれも自然の力で偶然に発見したものだったと考えられています。

    ある諸説では、発酵食品で一番古いものはお酒といわれています。最初のお酒は『猿酒』と呼ばれる、猿が樹木の木の穴などにためておいた果実が、自然発酵してお酒になったものだそうです。その様子を目の当たりにした古代人たちが、やがて発酵食品の暮らしを取り入れるようになったそうです。独特のニオイや酸味のあるものを最初におそるおそる口にした人は本当に勇気がいったでしょうね。英語で発酵を『Firmentaition』ラテン語で『沸く』『沸き立つ』という意味の『fervere』がもとになっています。アルコール発酵の時に炭酸ガスが泡のように盛り上がる姿から名付けられたと考えられ、このことから発酵食品の起源はアルコールだったという説が有力です。約8000年前からワインが作られていたと考えられていて、人類よりも古くから自生していたといわれるブドウの木から実が地面に落ちて潰れ、果皮に付いている天然の酵母によって勝手に発酵したことがワインの誕生のきっかけになったといわれています。その後潰れたブドウがヨーロッパでワインを醸造するまでに至ったそうです。

    発酵乳も偶然の産物のようです。約6000年前から中央アジアの草原の遊牧民たちは、家畜の乳を生活に利用してきました。彼らはおそらく絞った乳が発酵し、今でいう乳酸飲料やヨーグルトのようなものを、変化するのを偶然発見し、利用したのでしょう。中央アジアの草原地帯は湿度が低く乾燥してため、カビや腐敗菌が発生しにくい気候ですが、乳酸菌が沢山生息しているらしく、乳酸発酵がスムーズに進みやすい環境だそうです。遊牧民の知恵と工夫のおかげで、大切な栄養源である乳を発酵し、長期保存できるようになったということです。

    偶然の産物から先人たちの工夫や試行錯誤によって、今では当たり前にスーパーやコンビニで並ぶ味噌や醤油、ヨーグルトやチーズ、ワインにビールなどなどの栄養価の優れた食品に生まれ変わり、世界各地で伝統的に受け継がれている食文化を形成していったということですね。

    では次回は味噌のはじまりについて触れていきたいなと思います。最後まで読んで頂きありがとうございます☆彡

    参考資料:『発酵』小泉武夫(中公新書)