• 2020年2月3日に発売された”実践料理研究家” 岩木みさき先生が書きあげた「奇跡の発酵調味料 みその教科書」に、大源味噌を掲載していただきました。

    岩木みさき先生は、 “みそ”に魅せられ日本各地のみそ蔵60ヶ所を100回以上を訪問し、日本の伝統調味料みその魅力を伝えたいと
    精力的に活動されている本当に素敵な女性です。

    昨年夏から時間をかけてレシピやスタイリング、そして文章も全てに書き魂込めて制作された貴重な1冊になってます。

    特に”みその文化財”の内容は極めて貴重な内容が書かれてます。
    その他、ありとあらゆる視点からみそを探求した”みその教科書”、是非みなさん、読んでいただけたら嬉しいです。
    https://misotan.jp/20200203-2/

  • こんにちは みそソムリエの川辺です☆彡

    先日、大阪の南の方面、奥河内の『大地の里友邦』という、のどかな田舎でお味噌を手作りしてまいりました。コロナウイルスの影響なのか、参加者は僕と嫁さん二人だけでしたが、とても親切な講師の方と和気あいあいで、とても楽しめました。味噌作りはシンプルなようで奥が深く、それぞれの場所でそれぞれの拘りがありますので、毎回発見があり、とても勉強になります♪最後に自分が作った味噌の完成品でお味噌汁を頂きましたが、これはもう格別の味わいで、いまから出来上がりが楽しみであります♪

    さて今回も前回に引き続き、麹についてご紹介していきたいと思います。以前にもご紹介いたしましたが、味噌は原料・味・風味・色などによってさまざまな種類に分けることが出来ますが、麹を不可欠とする点は共通しています。米麴を入れれば米味噌に、麦麹を入れれば麦味噌に、大豆のすべてを糖化すれば豆味噌になります。

    そもそも、味噌はなぜ麹をつかうのか?

     

     

     

     

     

    月並みなことを言いますけれども、麹を発明した方って本当に凄いなと思います。麹菌はもともと稲に住んでいる菌で、稲作の渡来と共に日本列島に入り込み、日本の風土が適していることから、自然界に広く生息し、日本の常在菌となったそうです。

    では味噌作りにおいて、麹の役割は何なのか。ずばりそれは『酵素を得るため』です。酵素とは、生物によって作られる高分子タンパクからなる有機触媒の総称で、その働きの違いからたくさんの種類があります。その働きとは物質の分解です。味噌においては、麹菌の『酵素』の力を借りて、大豆や米や麦などの原料の成分が酵素によって分解され、組成の軟化が生じ、素材が秘めている旨味と甘味を引き出す、とても大事な役割を担っているということです。そして、酵素による分解された分解生成物は、『酵母』や『乳酸菌』などの微生物の栄養分となり、味噌の味、香り、組成、いるなどを造り出していきます。ただ大豆とお米と塩を捏ねて混ぜたものでは味噌は完成しないということですね。

    麹菌が持つ酵素は、デンプン質を分解する酵素(アミラーゼ・甘味)だけではなく、たんぱく質を分解する酵素(プロテアーゼ・旨味)を併せ持つなど、世界的にも優秀な微生物と言われています。 

    僕は海外旅行に行くと最初の2日くらいは、パンケーキやパスタやピザ三昧で、洋食でも生きていけそうなんて最初は思うんですが、3日目くらいから、『味噌汁が飲みたい』、『醤油をかけた卵かけご飯が食べたい』ってなります。これは僕の主観なんですが、普段何気なく食べている味噌汁や醤油は、麹の働きによって得た旨味や甘味で『軽い中毒』になっているんじゃないかなと思います(笑)いつの間にか、味噌汁がないと生きていけない身体になっていました。でも身体が喜ぶ栄養満点な物で中毒になってるなら、幸せなことですよね。

    ここでちょっとした豆知識をご紹介!

    こうじ製品の中での漢字表記で『麹』と『糀』がありますよね。

    その使い分けはどう違うのか調べてみました。

    【”麹”と”糀”の違いについて】

    もともと麹は、中国の小麦粉で出来た餅にコウジカビが生育たもので、「麹」と表記されていました。これは麦に菊の花が咲くように見えることから、このような字が付けられたといわれています。その後、日本では蒸し米にコウジカビが生育して花が咲いたように見えることから、「糀」という字が作られました。現在では、学術的には「こうじ」を用い、種麹屋によって製品化されたものを「糀」と書くことが多いようです。そのため、「麹菌」と書きますが、「糀菌」とは書きません。

    それぞれに意味があり、ちゃんと線引きもあるようですね。では今日はこの辺で!最後まで読んでいただきありがとうございます!

    参考資料:『味噌大全』渡邊敦光(東京堂出版)

  • 麹について

    こんにちは、みそソムリエの川辺です☆彡 
    早いもので、2月もあと少しで終わりですね。今日は日本の発酵食品の代表格である味噌や醤油、清酒やみりんの原料となっている、発酵文化において、なくてはならない「麹 (こうじ)」についてご説明したいと思います。

    麹とは・・・

    味噌だけでなく、日本の伝統食に欠かせない菌の一種です。塩麹ブームなどもあり、麹は一般家庭でも多く認知されてきています。当店でも生こうじはとても人気のある商品であります。麹は蒸した米、麦などの穀物に麹菌というカビの一種を付着させ、繁殖しやすい温度、湿度などの条件下で培養したものです。

    カビと聞くと、人間にとって有害なもの、賞味期限がかなり過ぎた食べれないものを想像してしまいますが、このカビは、食品として食べることができる菌です。よく知られている美味しい菌には、乳酸菌や納豆菌などがありますが、麹もこれらの菌と同じように美味しいと感じられる菌の一種です。

    麹菌の正式名称は、和名で二ホンコウジカビ、洋名ではアスペルギルス・オリゼといい、麹は日本しかない国菌(国の菌)です。通常、麹菌と同じアスペルギルス属のカビはカビ毒を出します。なぜかこの麹菌だけは、毒を作るDNAが欠落しているので、発酵食品しか出せない、美味しい旨味や甘味成分を味わうことが出来るということです。

    この麹菌は日本の風土で育つ穀物と非常に相性が良いといわれています。麹菌はお米や麦や大豆に日本の田畑で育つ穀物にくっついて発酵します。洋名のアスペルギルス・オリゼの「オリゼ」は「稲」のこと。もともと稲の中に住んでいるカビなので、日本の風土には相性抜群ということですね。

    さらに、この麹をつくるための麹菌は「種麹」と呼ばれています。粉末状でやや黄みがかった色が特徴です。米などを原料に麹菌を培養し、醸造業界では、種麹のことを「もやし」、種麹をつくる種麹屋のことを「もやしや」と呼んでいます。これは麹菌が芽を出して白い菌糸が伸びていく姿がもやしににていることから「萌える」を語源にして,「もやす(し)」になったといわれています。麹には生麹と乾燥麹があります。また、麹を用いて発酵食品をつくることを「醸造」といいます。

    「麹」の名前の由来は、「かもす(醸す)」の名詞形「かもし」の転訛(てんか)と言われていますが、古来酒造りは、口噛み酒という原料の穀物を口中で噛んで容器の中へ吐き出して発酵させるという手段を使っていたそうです。この行為は、現在の麹の役目を果たせていたので、この噛む動作が古く麹の語源に結びつくものと考えられています。カムタチ⇒カムチ⇒カウジ⇒コージの転訛(てんか)とも言われています。

    主な麹

    【米麹】 最も一般的な麹で、日本酒や甘酒の材料。白米を蒸して麹菌を繁殖させたもの。玄米や分づき米を使用することもある。

    【豆麹】 豆味噌の材料。大豆を蒸して麹菌を繁殖させたもの。

    【麦麹】 麦味噌の材料。押し麦、丸麦を蒸して麹菌を繁殖させたもの。

    日本人にとって欠かせない、お世話になりまくっている麹、まだまだ奥が深そうですね。

    次回のブログでもまた麹に触れたいなと思います。

    最後までお読みいただきありがとうございました☆彡

    参考資料:『味噌大全』 渡邊敦光(東京堂出版)

  • 11月1日(金)ニュース番組『ミント!』『ニュースの数字』というコーナーで味噌をテーマに大源味噌が紹介されました。
    ”関西人は「みそ」をあまり食べないのはなぜ?「発酵食品ブーム」を商機に奮闘するみそ業界”というテーマで取り上げていただきました。
    https://www.mbs.jp/mint/news/2019/11/04/073059.shtml

  • この度『MISOカフェ』は、2016年2月より3年10ヶ月に渡り営業して参りましたが、諸般の事情により、2019年11月22日をもちまして長期休業することになりました。
    突然のご報告となり、誠に申し訳ございません。
    今後は新しくネットショップ事業を立ち上げて、新商品開発や全国へ世界への拡販事業に力を注いでいきます。

    大源味噌公式ネットショップ
    http://daigen-miso.co.jp

    これまで皆様より頂戴したご支援ご愛顧に、心から感謝申し上げますと共にスタッフ一同、一丸となって『お味噌で心豊かな人創り』を掲げて、これからも鋭意努力して参ります。
    MISOカフェもしっかりと充電させていただき新たなスタイルにてまた改めて挑戦したいと思いますので今後とも大源味噌をよろしくお願い申し上げます。

  • こんばんは みそソムリエの川辺です☆彡

    今日は味噌の原料についてのお話

    味噌は「畑の肉」とも呼ばれている大豆と、米あるいは麦、そして塩と水で、自然の恵みを醸造に適した風土の中で、麹菌などの微生物の力を借りて育む発酵食品です。

     

     

     

     

     

     

    主原料である大豆を蒸すか煮るかし麹と塩を混ぜ合わせて。発酵・熟成させて造ります。

    微生物や酵素の働きなどによって、微妙に味噌の色や香りが変わるので、同じ材料を使用しても出来上がりに違いが生まれます。原料や混ぜ合わせる塩の量や麹の割合、微生物が働く気候風土や熟成期間などの条件が複雑に関わり合って、多様多種な味噌が出来上がります。

    副材料として、種麹(たねこうじ)は不可欠です。また、添加物として、酒精、ビタミンB2などが使われることがあります。米みそは、お米に麹菌を繁殖させて、大豆と食塩を用いて味噌を作ります。麦みそも同じく、大豆と食塩を配合して、麦を原料とする麦麹を用いて味噌を作ります。また、豆みそは原料が大豆を麹にしたものと塩だけで、米麹や麦麹を使わない味噌です。日本人にとって極めて身近な材料で作られて、その昔は家庭での味噌作りが一般的であったことから、「手前みそ」という言葉が生まれたそうです。

    ※手前みそとは  自分のことを誇る、自慢すること。 昔、農家の人々は自前で味噌を作っていましたが、原料の下処理、麹作り、塩分濃度の設定、発酵の管理など、味噌作りは大変な神経を使う作業でした。農家には先祖代々から伝わる秘伝の味噌作りがあり、家々が自分の家の味噌が最高品だと譲らなかった、昔の人々の頑固な気質が「手前みそ」という言葉にこめられています。

         

    【大豆】

    ”大いなる豆”の意味で名付けられた大豆。色、大きさの違いによって日本の中でも数百種類ありますが、味噌には主として黄大豆の中粒種が使われます。皮が薄くて吸水力が高く、柔らかく香りて栄養学的にも優れているといわれています。黄色種で白目大豆といわれるもので、加工後も大豆の白さが出ることから、白系、淡色系の味噌に使われています。 

    黒目大豆は味噌の熟成後も黒いへその部分が残るため、異物混入と間違われる可能があり、麦味噌に使われることが多いです。麦みそは麦の黒条線(ふんどし)が同じように残っているので異物と間違われることはありません。

    【米麹】

    白米を蒸して麹菌(種麹)を繁殖しやすい環境で培養したものを米麹といいます。

    日本の発酵文化には欠かせない、麹の中では一般的で、日本酒や甘酒の材料として使われています。

    麴によって造られた酵素が大豆を発酵・熟成させ、味噌の神髄であるコクと旨味を生み出します。良質な麹は香り、発酵の力が違います。

    【塩】

    塩は単に塩味をつけるだけでなく、重要な役割を担っています。塩が入る事によって、高い塩分濃度の中でも発酵に必要な微生物(酵母や乳酸菌)を増やしたり、浸透圧によって、有害な雑菌(枯草菌など)を抑制する働きをしています。

    【水】

    味噌の45%は水なので、水の選び方もポイントになります。銅や鉄など着色を促す無機イオンができるだけ少ないものほど、味噌作りに適しています。カルシウムの多い水で大豆を蒸煮すると大豆の軟化を防ぎます。

    この食材たちが美味しい味噌を作ってくれているんですね☆彡このブログを書きながら改めて味噌の奥深さに気づき、自家製の超こだわりの味噌を作りたくなってきました♪次の休みにでも実行します☆彡

  • 味噌の地域性

    こんにちは、みそソムリエの川辺です☆彡今日は味噌の地域性についてご紹介していきたいと思います!

     

     

     

     

     

     

     

     

    日本にはいろんな調味料がありますが、味噌ほど地域性が強いものは、ないのではないでしょうか?好みは生まれ育った土地で作られている味噌で左右されるといわれます。結婚して味噌汁の味が変わった!なんてこともあるかと思います。

     

     

     

     

     

    味噌は北は北海道、南は沖縄まで日本全国で製造されており、地域によって特徴は様々です。技術的にはどのメーカーでも様々な種類の味噌を製造することは可能ですが、その地域特性や好みを追求することで、各メーカー独自の味と香りが生まれ、蔵の味を継承しています。

     

     

     

     

     

     

    【全国各地お国自慢みそ】

     

     

     

     

    全国には800以上の味噌蔵があるといわれております。その土地土地の歴史や食文化が反映した味噌があり、江戸時代に確立したものがほとんどで、当時の藩の名前がついてるご当地味噌が多く残っています。南北に長いその地形や、気候によって日本全国各地で味噌の種類も様々です。

     

     

     

     

     

     

     

    北海道では赤い色の中辛口味噌が主流で、仙台では仙台味噌と呼ばれる伊達政宗時代より引き継がれている赤色辛口味噌が有名です。味噌の原料となる穀物も全国的に「米」が使われることが多いものの、中部地方では「豆」、九州や四国の一部の地域では「麦」が使われています。では全国のご当地味噌と味噌郷土料理をご紹介しましょう!

     

     

     

     

     

    [北海道みそ]    中辛口の米みそ 色:赤

    サッパリとした味わいで食材の風味を活かしてくれるみそ。昔から新潟や佐渡との結びつきが強かったことから、越後みそや佐渡みそと似ています。

    明治時代の開拓により全国から多くの人が移住してきた北海道。様々な食文化が集まったため、皆さんの口に合うようにということでクセのない味になったと云われています。

    ◇みそを使った北海道のご当地料理には、「石狩鍋」「ちゃんちゃん焼き」「なんこ鍋」などがあります。今や全国で人気の「味噌ラーメン」も北海道が発祥だそうです。

    ※ちゃんちゃん焼き

     

     

     

     

    [津軽みそ]  辛口の米みそ 色:赤

    「津軽三年味噌」とも呼ばれています。辛口ではあるものの、長期間熟成させるため口当たりはまろやかで、独特の旨味が特徴。少々塩分濃度が高いことや、寒冷な気候が雑菌の繁殖を抑えてくれるので、長期保存が可能になっています。かつて津軽は凶作が頻発することから、飢餓への備えのために長期保存できるみそ作りが盛んになったと云われています。みそは単なる調味料ではなく、厳しい雪国での貴重なタンパク源だったのですね。

    ◇みそを使った青森県のご当地料理には、「いものおづけばっと」「じゃっぱ汁」「ホタテ貝焼き味噌」などがあります。

    ※じゃっぱ汁

     

     

     

    [秋田みそ] 辛口の米みそ 色:赤

    米どころ秋田でとれた米から作る麹をたくさん使用していることから、辛口でありながら自然な甘みもしっかりと感じられます。

    ◇みそを使った東北地方のご当地料理には「いかのもんぺ焼き」「粥の汁」などがあります。

    ※いかのもんぺ焼き

     

     

     

     

     

    [仙台みそ]   辛口の米みそ 色:赤

    戦国時代、徳川家康と伊達政宗はみそを特に重視していました。徳川家康は豆みそで天下をとり、徳川政宗は仙台に「御塩噌蔵(おえんそぐら)」を建てて、兵糧(ひょうろう)としてのみそを製造したと云われています。

    夏期に政宗が出陣した際、他藩のみそは高い気温にさらされほとんどが腐敗してしまったものの、仙台藩のみそだけは変質せず、美味だったそうです。その評判が他藩にも広がり、一躍有名に。

    政宗は軍用だけでなく、産業発展のためにも厳しく指導をおこないながら良質なみそ作りを続けました。

    当時から伝わる製法を大切にした、伝統的な長期熟成型のみそが仙台みそです。

    ◇みそを使った宮城県のご当地料理には「ドンコ汁」などがあります。

     

     

    ※どんこ汁

     

     

     

     

    [会津みそ]   辛口の米みそ 色:赤

    自然環境が厳しい会津盆地で生まれた長期熟成型のみそ。300年以上の歴史があります。

    ◇みそを使った福島県のご当地料理には「しんごろう」「どぶ汁」などがあります。



     

     

     

     

     

    [越後みそ]  辛口の米みそ 色:赤

    米どころ新潟県で主に作られるみそ。米麹に精白した丸米を使っており、その米粒がみその中に浮いたふうに見えるのが特徴で「浮き麹みそ」と呼ばれることもあります。塩味の中にもすっきりとした麹の甘みを感じることができます。

    ◇みそを使った新潟県のご当地料理には「わっぱ煮」などがあります。

     

     

     

     

    [佐渡みそ]   中辛口の米みそ 色:赤

    麹が多く使われていて、長期間熟成させるため塩なれしたコク深いうまみを感じられるみそです。

    味噌を使ったご当地料理は『鮎の石焼き』『わっぱ煮』『スケトウの沖汁』などがあります。

     

    ※スケトウ煮

     

     

     

     

    [信州みそ】 辛口の米みそ 色:淡色

    全国的に作られており、その生産量は全体の約40%を占めています。酸味のある特徴的な香りがあり、すっきりとした旨味が感じられるみそです。山に囲まれ寒風が厳しい信州では、みそは貴重な〝活力源〟として大変重要な存在でした。塩の保存には細心の注意を払っていた武田信玄の時代、大豆の栽培が盛んにおこなわれ、信州の気候と水質もみそ作りに適していたことから、みそは全域に広まったそうです。

    ◇みそを使った長野県のご当地料理には「五平餅」「鯉こく」などがあります。

     

     

    ※五平餅

     

     

     

     

    [加賀みそ]  辛口の米みそ 色:赤

    加賀前田藩の軍糧用として伝わった、塩分が比較的高い長期熟成型みそ。はっきりとした辛みと深いコクが特徴です。

    ◇みそを使った石川県のご当地料理には「れんこんの団子汁」などがあります。

     

     

     

     

    [江戸甘みそ]  甘口の米みそ 色:赤

    蒸した大豆を用いるため色は濃い赤褐色。米麹の割合が高いため濃厚な甘みと光沢があります。関東地方は気候に恵まれており、みその使用頻度は、寒冷地ほど高くない傾向にあります。

    ◇みそを使った東京都のご当地料理には「味噌田楽」「深川丼」などがあります。

     

     

     

     

    ※味噌田楽

     

     

     

     

    [東海豆みそ](愛知、三重、岐阜) 豆みそ

    名古屋みそ、三河みそ、三州みそ、八丁みそなどの呼称や銘柄で呼ばれ、中京地方を中心に製造されている豆みそ。濃厚な旨味と渋み、わずかな苦みがある。八丁みそはもともと岡崎城から八丁(約870m)の範囲内で製造されていたみそのことを言います。

    ◇みそを使った東海地方のご当地料理には「どて煮」「みそ煮込みうどん」「五平餅」「とりモツのみそ鍋」などがあります。

    ※味噌煮込みうどん

     

     

     

     

     

     

    [関西白みそ]  甘口の米みそ 色:白

    「西京みそ」としてもよく知られ、主に京都で作られている甘みそ。皮を取り除いて煮た大豆と精米度の高い米を用いるため色は白や、上品な黄金色です。色がつかないようにするため、空気との接触を断って熟成発酵させます。米麹の割合がとても高く、強い甘みが特徴で、塩分量が少ないことから長期保存には向きません。

    王朝時代の貴族たちの嗜好から生まれたみそと云われています。

    ◇関西白みそを使ったご当地料理には「白みそ雑煮」「西京漬け」「懐石料理」などがあります。


    ※西京みそ漬け

     

     

     

     

    [府中みそ]  甘口の米みそ 色:白

    皮を取り除いた大豆を原料とした白や、クリーム色の甘みそ。きめ細やかで豊かな風味とコクで好まれ、関西白みそと並ぶ白色甘みその代表格です。

    江戸時代からその美味しさが全国に知られるようになりました。

    ◇みそを使った広島県のご当地料理には「カキの土手鍋」などがあります。

     

     

     

     

    [讃岐みそ]  甘口の米みそ 色:白

    濃厚な甘みがある豊かな風味は、京都の白みそや広島の府中みそと並ぶ人気の白甘みそ。

    ◇みそを使った香川県のご当地料理には「あんもち雑煮」「どじょう汁」「魚(サワラなど)のみそ漬け」「わけぎあえ」などがあります。

    ※あんもち雑煮

     

     

     

     

    [御膳みそ]  甘口の米みそ 色:赤

    蜂須賀公の御膳に供されたのが名前の由来と云われています。塩分は辛口みそと変わりませんが、麹の割合が高く、豊かな旨味を感じます。

     

     

     

     

     

    [瀬戸内麦みそ]  甘口の麦みそ

    米みそ圏と麦みそ圏が交差する地域で好まれる麦みそ。特に愛媛で作られる麦みそは、麹の割合が高いため、麦独特の芳香と軽やかな甘みがあります。

     

     

     

     

    [薩摩みそ]  甘口の麦みそ

    麦みその中でも比較的短い熟成期間で作られ、淡い色をしています。麦麹の独特の香りが強く、麦麹の粒が残っているのが特徴です。

     

     

     

     

    [九州麦みそ]  甘口の麦みそ 色:淡色~淡赤色

    麦みそが主流の九州で主に作られているみそで、田舎みそとも呼ばれます。大麦や裸麦から作られた麹を使用。麦麹の割合が高く、塩分はやや低めなので強い甘みと、独自の香りがあります。温暖な気候のため、熟成期間は比較的短めです。甘口が多いですが北部では辛口もあり、現在では麦麹に米麹を混ぜた「合わせみそ」の生産も増加傾向。

    ◇麦みそを使ったご当地料理には、「さつま汁」「からしれんこん」「冷や汁(宮崎)」などがあります。

    ※冷や汁



    僕は旅行が趣味で、今まで嫁さんと日本全国あちこち旅してきましたが、ご当地の郷土料理を食べることも、とても楽しみなんですが、やはり一番は”ご当地のお味噌汁”を飲むことが何より楽しみにしております♪

    特に旅館で出る朝ごはんについてる味噌汁はたまらないですね。山形県で食べた朝食についていた味噌汁は、今のところ、僕の中では暫定1位です。新潟の立ち食いのお寿司屋さんで飲んだ味噌汁も格別でしたし、沖縄で食べた味噌汁がメインの”味噌汁定食”も美味しくて、思い出深いですね。これからもあちこち旅して、日本全国のご当地味噌汁を制覇したいと思います。

    最後まで読んで頂きありがとうございます☆彡

     




     













  • 色の分類

    こんばんはみそソムリエの川辺です。今回は味噌の色による違いをご紹介いたします。

     

     

     

     

     

     

     

    見た目ではすぐにわかりやすい色の違いです。味噌の色は出来上がりの色によって、3色に分けられます。 赤味噌、淡色味噌、白味噌に分類されます。よく勘違いされがちなんですが、味噌の色と塩分濃度は実は関係はありません。色の濃い味噌は見た目から「辛そう」とか、「しょっぱそう」なイメージに思われますよね。そんなイメージを払拭するべく、それぞれの違いをご説明いたしましょう!

    では色が違う主な要因として

    ・原料となる大豆の品質

    ・加工の違い(煮る、蒸す)

    ・麹の量(麹歩合)

    ・発酵・熟成の過程での温度管理、

    ・天地返しをするかしないか

    いろいろな条件によって味噌の色は変わります。

     

     

     

     

     

     

    まず白味噌は、クリーム色で主に関西より南の地方で作られています。有名どころでいいますと、西京みそ、讃岐味噌、府中味噌などがあります。次に信州みそに代表される淡色味噌。黄色みがやや強い白色にも近いことから信州白みそとも呼ばれいます。それよりも濃い色の仙台味噌や江戸味噌は赤味噌と呼ばれ、赤褐色です。さらに東北地方に向かうほど味噌の色はどんどん濃くなっていきます。

    こういった色の濃淡の違いは、発酵時の「メイラード反応」が原因です。メイラード反応とは、原料の大豆などの「アミノ酸」と、同じく原料の「糖」が反応して褐色に変化する現象で、この反応が十分進んでいたり、温度が高いほど赤く褐色しています。

     

     

     

     

     

    白味噌はクリームの様な卵色に仕上げることが、美味しく見せる要素になってきます。そこでメイラード反応をできるだけ抑える工夫が白味噌ではされています。大豆の浸水時間を短くし、「蒸す」のではなく、「煮る」ことで大豆中の水溶性の糖などを煮汁とともに取り除きます。逆に大豆の浸水時間を長くし、高温で長く蒸煮するとたんぱく質が熱変性して酵素による分解が促進されるため、濃い赤い味噌になるということです。

     

     

     

     

     

    もともと目指している品質がそれぞれに違うので、味噌の色の違いが生じるということですね。味噌の色の違いについて、意外と知らなかった方も多かったのではないのでしょうか?このブログを読んだ方で、もし誰かに味噌の色の違いを聞かれたら、「材料は同じだけど、作り方が違うんだよ」と教えてくださいね☆彡

  • こんにちは!大源味噌 みそソムリエの松田です。

    『味噌は医者いらず』

    という言い伝えがありますが、栄養学や医学の面からも様々な研究がすすめられ、 その効果も次々と発表されています。

    味噌の原料である大豆の成分はたんぱく質、脂質、ミネラル、食物繊維などから成り立っています。

    特に、たんぱく質には生命維持活動するために 不可欠な必須アミノ酸が、肉に匹敵するくらい豊富に含まれています。

    「畑の肉」と呼ばれているのは、そのためです。

    その大豆の栄養素をそのままに、発酵によってもともと大豆に含まれていた以上のアミノ酸やビタミンが多量に生成され、栄養価はさらに優れたものになっています。

    ここで味噌に含まれる栄養をピックアップしてみました

    1、大豆たんぱく質

    大豆を味噌にする過程で、大豆たんぱく質は酵素によって分解されて、約60%が水分に溶け、約30%がアミノ酸になります。たんぱく質をより消化吸収されやすい状態でとることができます。

    2、サポニン

    脂質の酸化を抑えたり、脂質の代謝を促します。血流を改善したりコレステロール値を低下させたりするため、高血圧や動脈硬化など生活習慣病予防に効果的。

    3、カルシウム

    ホルモンの分泌、筋肉の収縮や神経伝達などにも関与するカルシウム。味噌は調味料の中では比較的含有量が多く、特に豆味噌は100g中、150mgのカルシウムが含まれています。

    4食物繊維

    調味料の分類の中では、食物繊維量が多いのが特徴です。100g中の含有量は淡色辛口味噌で4.9g、麦味噌で6.3g、豆味噌で6.5g。

    5、リノール酸

    血中コレステロールの上昇を抑えるリノール酸。味噌中のリノール酸は発酵の過程で分解され、遊離リノール酸に。シミの元になるメラニン合成を抑制するので、シミ予防や美白効果も期待。

    6、大豆イソフラボン

    女性ホルモンに似た働きがあります。ホルモンバランスを整えて更年期症状の緩和、カルシウムの溶出を防いで、骨粗鬆症を予防。

    7、大豆レシチン

    細胞を若々しく保つ成分。コレステロールの吸収を抑制し、動脈硬化、脳梗塞や心筋梗塞をなどの予防に役立つといわれています。

    8、メラノイジン

    メラノイジンは味噌の色になっている褐色色素です。優れた抗酸化作用を持ち、生活習慣病を予防するといわれています。

    こう見ただけでもお味噌って本当に体にいいんだということがわかりますよね!!

    さあ今晩は何のお味噌汁にしようかな~☆彡

  • こんにちはみそソムリエの川辺です☆彡

    今回は味噌の味(甘・辛)の分類をご説明いたします。

    味の分類は一般的に、甘みそ甘口みそ辛口みその3つに分けられます。この3つの味の違いは、前回少し触れました”塩加減と麹歩合の差によって生じます。塩加減とは、味噌を作る時に入れる塩の量であり、麹歩合とは麹原料である米、麦の大豆に対する配合の割合をいいます。塩分量が同じなら、麹歩合が高いほうが「甘口」になります。一般的に「辛口」と呼ばれるのは塩分が12%前後で、麹歩合が低い味噌です。塩分が多く熟成期間が長い味噌でうま味が濃厚で、この塩加減と麹歩合によって、甘味噌・甘口味噌・辛口味噌という違いが生じてきます。最近では、麹を多く使用した甘めの味噌が好まれる傾向があります。それでは具体的にそれぞれの違いなどをご説明いたしましょう!

    甘みそは塩分が5~7%、麹歩合が15~28割と麹を多く使用しています。関西地方で主に食べられるている白味噌や、東京の伝統的な江戸甘味噌などがあります。白味噌は主に関西で作られていて、原産地は京都と言われています。京都の西京味噌、香川の讃岐味噌、広島県の府中味噌などが有名です。白味噌は麹歩合が高く、食塩の含有量が少ないこともあり、早く醸造できるので、短期熟成型です。これは、酵母による発酵をほとんど必要としないためです。江戸甘味噌は、文字通り江戸(東京)で作られていた、東京市民に大いに愛された赤甘味噌です。米麴からの香りと大豆からの香りが一体となったトロミ感のある甘さが特徴です。

    甘口みそは米麹の淡色・赤味噌や麦麹で作られる味噌になります。塩分が7~12%、麹歩合が12~17割となっています。流通している多くの味噌が甘口みそに分類されます。「甘口」と付きますが、甘いものから甘じょっぱいものまで幅が広いです。静岡県を中心に食されている食塩量と麹歩合が甘みそと辛口みその中間の相白味噌や、食塩は辛口みそなみに多いですが、麹歩合が高い徳島県の御膳味噌などもあります。

    辛口みそは米麴の淡色味噌・赤味噌や麦麹で作られる味噌になります。塩分は11~13%、麹歩合は5~10割と麹の使用量が大豆よりやや少なめとなっています。この味噌は発酵に酵母菌やバクテリアなどの微生物の働きが必要なため、醸造期間が長くなります。米味噌の中で最もポピュラーなものであり、生産量も全体の75%を占めています。塩味が強く、すっきりとした味わいで大豆のたんぱく質のうま味をしっかり活かしているのが特徴です。代表銘柄は信州みそ。仙台みそや越中みそ、加賀みそなどがあります。

    おなじ原料の味噌でも、塩加減や麹歩合の差によって、甘いものや辛いものが生じることがこれでわかりましたね。では次回はさらに細かく”色”の分類を見ていきましょう!